GISおよびIT/ICT技術に関して、4DGIS Labが独自で研究した事案やサポートさせていただいた研究の成果等をご紹介いたします。
IT/ICT現地調査
~新潟県内雁木調査におけるGIS技術の活用~
ESRIによって提供されているクラウド環境“ArcGIS Online”とスマートフォン用アプリ“Collecto for ArcGIS”の活用により、モバイル端末を使用したGISによる現地調査を行いました。クラウド上で公開されているデータを交えながら、この取組みをご紹介いたします。
作業期間 | |
2017年10月~2018年3月 |
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作業環境 | |
システム構築:ArcGIS for Desktop v10.5 クラウド環境:ArcGIS Online モバイル環境:Collector for ArcGIS その他機器等:スマートフォン(Android/IOS)・モバイルバッテリー |
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データソース | |
現地調査:新潟県内現存雁木の諸元情報収集・現況写真撮影 |
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キーワード | |
・モバイル端末を使用したスマートな現地調査の実現 ・クラウド環境によるリアルタイム情報共有と視覚化 |
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概要説明 | |
新潟県内に現存する雁木は、降雪や降雨を避けことができる歩行空間としての機能があります。しかし、近年では建替え時のセットバックや低未利用地の増加によって、歩行空間のネットワークが断続する傾向にあります。 「GIS上に視覚化して雁木の現状を把握し、施策のための資料としたい」 新潟工科大学 倉知先生の一言から、取組みが始まりました。 とは言え、従来手法では降雪までの2か月間に、全7地区・総延長100㎞を超す現地調査を完了することは難しく感じました。ましてや、調査という作業に不慣れな人員構成、かつ、最多時投入人員も7名に限られます。 急ぎ、スマホで同時調査することが可能な効率的な調査手法を検討し、GISソフト上でシステム設計とデータベース構築を行いました。 結果を言えば、ITリテラシーの高い新潟工科大学のゼミ生の能力もあり、現地調査は降雪前に無事終了し、処理が後回しになる作業工程に余計な手間を掛けず、調査項目・写真がシームレスな地図上に統合されているGISデータを、クラウド上で公開する事が出来ました。 IT/ICT特有のフロントローディング(工程前半に作業が集中する)を要求されつつも効率化を図ることができ、全体的な所要日数は圧縮する事ができたように感じます。GISのデータベースを用意周到に構築することで人為的エラーの発生機会を軽減しつつ、工程後半には、次案に向けての時間的余裕をも生むことができました。 このIT/ICT技術が、調査業務にもたらす効果を以下のIT/ICT現地調査に示します。 また、この活動の全般について、建築の専門家であり都市計画にも精通している倉知先生が、以下の研究論文に大変判りやすく書かれておられます。クラウド上で公開されているArcGIS Onlineのデータも併せ、以下の参考資料に示します。 これらの資料から、モバイルGISとクラウド技術の連携によって、IT/ITC現地調査の可用性がさらに広がっている事をご確認いただければと思います。 |
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参考資料 | |
IT/ICT現地調査 ~新潟県内雁木調査におけるGIS技術の活用~ 形式:PDF 作成者:徳永忠行 歩行空間ネットワークとしての雁木通りの現状把握とGIS DB化に関する調査 形式:PDF 作成者:倉知徹 新潟県内における雁木マップ ~ArcGIS Online公開データ~ 形式:クラウドデータ 作成者:倉知徹 ※以上の3データについては、各作成者に著作権が帰属します。 無断転用はお控えくださいますよう、宜しくお願いいたします。 |
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参考写真 | |